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秋の銀杏並木。

秋の銀杏並木。

汗ばむ陽気と肌寒い空気が共存する季節の変わり目である。

 

常に可変する空気に敏感になる、四季を持つ国に生を受けたことはとても幸せなことだ。

 

夏は暑くて秋が恋しくなるし、
冬ははるのおとずれを心待ちにしている。

 

毎日の洋服が改めて楽しくなるのは春や夏だし、
明方の空気の抜け感が美しいのはやはり冬である。

 

季節というものは、この国では常に移り変わっている。

 

いつからだろう。

 

銀杏が秋の味覚として楽しみになったのは。

 

焼き鳥屋にいくと、かならず銀杏を頼んでしまう。
昔はあんなに苦手だったのに。

 

大人になるにつれて人の味覚の好みは変わっていく。

 

好みは絶対なものではない。

 

 

季節と年齢と文化と。
時間と共に可変していくところに季節の味覚の面白さはある。

 

空気の透明度や粒子を、四季を通して感じること。

 

 

秋の銀杏並木。

 

目を閉じると銀杏の香りがする。
目をあけると、まだ緑が目の前に広がっている。

 

可変で動的な気配の中に、二極化できない曖昧な美しさがある。

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